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玄関の防カビリフォーム
マンションの玄関周りでは結露によるカビ被害がよくあります。マンションでは、北側玄関が多く、特に冬場は、北風で玄関ドアが冷やされ、結露が生じ、湿気によりかびが発生します。
こちらの玄関も一見普通に見えますが、近くに寄ってみると
ドア枠の近くが点々とカビています。
反対側も
なぜ、こんな風に所々点々とカビが生えるのでしょうか?
マンションの内壁の作り方の一つにGLボンド工法があります。
GLボンド工法とはコンクリートの躯体にGLボンドと言われる接着剤を団子状にして約20㎝間隔で塗り付け、石膏ボードを貼り付けていくものです。
GLボンド工法で石膏ボードを接着した壁は十分な断熱が施されていないと、外気と同等に冷やされた躯体の冷たさが、GLボンドを熱橋として石膏ボードに貼られたクロス表面にまで伝わり、結露が生じます。
その湿気によりかびが発生しやすくなるのです。
それでは、作業をご紹介しましょう。
1.下足箱内部のカビ
玄関脇にある下足箱内部もカビています。
今回のリフォームでは下足箱も交換します。
2.下足箱の解体撤去
まずは、下部収納から撤去します。

続いて吊戸収納。

撤去すると、下足箱の背面には断熱材はなく、内壁もありません。

背面側は隣家との間仕切壁ですが、せめて内壁は欲しいところです。

下部収納の背板は薄いため、躯体コンクリートの冷たさが内部にまで伝わって結露が生じます。

3.壁紙・クッションフロアの剥がし
玄関周りの壁紙と

クッションフロアは張り替えるので、剥がします。

4.玄関周りのカビ取り除菌清掃
壁紙を剥がした後、カビ発生部の周囲はかび取り除菌処理をします。
下足箱が設置されていた場所もカビ取り除菌清掃をします。
5.縁切り作業
外壁コンクリートの冷たさがGLボンドを通じて内部に伝わってくるのと同様、玄関ドアの鋼製枠も熱橋として冷たさを内部に伝えます。
そこで、玄関ドア鋼製枠と石膏ボードの取り合い部は縁を切り、熱伝導を遮断します。
玄関ドア鋼製枠の室内側は大規模修繕工事の際にも塗装されず、塗膜の剥がれが目立ってきたので塗装補修します。
6.玄関ドア鋼製枠の塗装補修
先ずは、鋼製枠に取り付けてある補助錠の受け金具を外します。
塗膜の剥がれた鋼製枠はペーパー掛けし、

鋼製枠と石膏ボードとの隙間に入った埃は掃除機で吸い取ります。

鋼製枠を塗るのに石膏ボード側はマスキング養生します。
先に、錆止め塗装をします。縁切りしたボードとの間から鋼製枠の内部にまでしっかり塗り込みます。
仕上げ塗材も同様に、鋼製枠の内部にまで塗り込みます。

中塗り後、仕上げ塗りへと進めていきます。

玄関鋼製枠の塗装補修が終わりました。
見にくいかもしれませんが、石膏ボードと鋼製枠との間の内部も塗装されています。
補修前
補修後
7.壁紙下地への防カビ処理
弊社では防カビ処理は2度実施します。2度実施するのは、防カビ処理層に厚みをもたせるためです。
下の写真は、1度目の防カビ処理です。
処理後は、ジェットヒーターを使って完全乾燥させてから、
2工程目に入ります。

下部収納の背面の壁も防カビ処理します。

8.玄関ドア鋼製枠と石膏ボードとの隙間の充填処理後の見切縁の
取り付け
先ほど縁を切った鋼製枠と石膏ボードとの隙間には熱伝導率の低い素材を充填し、熱橋を遮断します。
充填処理後、オリジナル防カビパテにより不陸調整をします。
石膏ボードへの防かび処理後に、オリジナル防カビパテで不陸調整することで、
防かび処理層の厚みをさらに増し、カビを一層再発しにくくさせます。
続いて、鋼製枠と石膏ボードとの4方の取り合い部に樹脂製の見切縁を取り付けます。
こうすることで、結露しやすい鋼製枠と壁紙が直接接触しないようにします。
9.玄関床へのクッションフロア張り
玄関床の大きさを採寸し、

やや大きさ目にクッションフロアを切っておきます。

床へ糊付けし、オープンタイムをおいてから貼り付け作業を開始します。
タイル柄のクッションフロアなので、目地を揃えて仕上げます。
タイルの柄は玄関ドアの下枠から貼り始め、左右の端部の柄が同じ幅になるように納めました。
10.下足箱の取り付け
下足箱はセパレートタイプからトールタイプに入れ替えます。
先ずは、構造用合板で木下地となる内壁を造ります。
下足箱は建材メーカーからバラで梱包されてきたものを組み立てていきます。
扉と内部の棚以外は組み立てできました。
2人掛かりで設置場所まで運び、
木下地に固定していきます。
上部の固定は天板に取り付けた木下地と既存の壁を利用して、新たに下り壁を造作して挟み込むようにして固定します。
キャビネットが固定出来たところで扉、棚板類を取り付けていきます。
玄関室側に把手が無いプッシュオープナータイプです。
棚板の取り付けです。

扉の開け方は扉中央付近を押すことでマグネットが解放されて開き、再度押し込むと閉まります。
玄関側に把手が出っ張らないのでぶつかることもなく、スッキリ見えます。
11.仕上げの壁紙・ソフト巾木張り
壁紙はオリジナル防カビ糊で糊付けします。
壁紙を貼り終えたら床との取り合いにソフト巾木を貼っていきます。
12.防カビオーバーコートとシール処理
防カビ糊による壁紙施工後、見切縁とクロスの取り合い部分にも上から防カビ処理をします。
下足箱と壁との隙間はシール処理します。
写真は玄関ドア鋼製枠周りの写真です。
左から茶色い玄関ドア鋼製枠、白い樹脂見切縁、クロス壁、シール処理された隙間、下足箱扉です。
13.玄関周りの防カビリフォーム完成
玄関周りの防カビリフォーム工事が完成しました。下足箱の靴の収容数は20足から30足へと増えました。
リフォーム後
リフォーム前
玄関から廊下側を撮った写真です。廊下の床と玄関框もリフォームしました。
廊下から玄関を撮った写真です。
玄関床の仕上がりです。

14.防カビリフォーム後
1年半経過時の玄関周りの状況
完工後1年半後の写真です。お客様は、壁の結露も納まり、カビも生えてこないと喜ばれていました。
リフォーム前
リフォーム後1年半経過時
お役に立てて良かったです。