目次

  1. リフォームの概要とご要望
  2. リフォーム前のリビング入口引戸の状況
  3. 敷居用レールの設置
  4. 建具の現場加工
  5. 建具に戸車の取り付け
  6. 建具の高さ加工
  7. 片寄り防止スペーサーの取り付け
  8. 戸当たり具合の調整
  9. 横手への木口テープの貼り付け
  10. 引手の取り付け
  11. 樹脂パネルの組み込み
  12. リビング入口引戸リフォーム前後

1.リフォームの概要とご要望

 一番出入りの多いリビング入口の片引戸ですが、敷居が削れて、開け閉めが重い状態になってしまいました。

 引手は小さく、彫り込みも浅いので指が掛かりにくく、小さな子供や高齢者には引き出すのも容易ではありません。

リフォーム前のリビング引戸 リフォーム前
リフォーム後のリビング引戸 リフォーム後

 リフォーム後は、建具裏側の気配が伺える2本スリット入りの引戸としました。

 破損への配慮からミスト調半透明の樹脂パネル入りとし、建具の柄は明るめのものを選ばれました。

 廊下側から見たリフォーム前後です。リフォーム前、建具は経年により反って変形し、擦れた跡も伺えます。

廊下側から見たリフォーム前の引戸 リフォーム前
リフォーム後引戸 リフォーム後

 以下では作業の様子をご紹介します。

2.リフォーム前の
リビング入口引戸の状況

 リビングの入口は玄関から正面にあたります。 建具交換作業

 こちらでは中方立との建具溝(鴨居溝)とのクリアランスが殆ど無いため、 建具溝との間が無い

スリットの樹脂パネルを留めている押し縁は 建具の押し縁  建具の変形による接触や擦れを防ぐため、敢えて建具表面と平らになるように仕上げてあります。

 長年使っている敷居は底が削れて色が変わっています。荒れた溝にレールを埋め込み、建具も戸車仕様にします。 戸車仕様

3.敷居用レールの設置

 敷居溝にレールを当てがって、採寸し、

レールを当てがって採寸する
レールを当てがって採寸する

切断します。ブロンズ色のアルミレールです。 アルミレール

 レールの剥がれを防止するためにプライマーを塗り込んでからオープンタイムを置き、 プライマーを塗る

張り込んでいきます。 レールの取り付け

 張り込んだ後も、填圧します。 填圧する

 レールがガッチリ設置できました。 建具のレール

4.建具の現場加工

 建具はあらかじめ工場(こうば)でおおよその寸法に作ってきます。 建具の大きさを加工する

 建て込み準備を終えた後、建具の大きさを現場に合わせて加工していきます。 建具の大きさを加工する

 おおよその寸法の建具をあてがい、枠や柱、中方立のねじれや倒れなどを確認していきます。

建具をあてがう
建具の寸法をみる

 柱も枠も中方立も随分と狂っています。

5.建具に戸車の取り付け

 戸車は建具を彫り込んで取り付けます。 戸車を取り付ける

6.建具の高さ加工

 戸車取り付け後、戸先の戸当たり具合と鴨居溝を確認し 戸先の戸当たり具合と鴨居溝を確認する

建具の上端を鴨居溝の深さに揃えてカットしていきます。 上端を鴨居溝の深さに揃えてカットする

 切り口はカンナを掛けて整えます。 カンナで整える

 按配を確認します。 建具を確認

7.片寄り防止スペーサーの取り付け

 建具が乾湿により反った際、中方立に擦るのをできるだけ防止するため、建具が中方立から離れて走るように、建具に片寄り防止のスペーサーを取り付けておきます。

スペーサーを取り付ける
スペーサーを取り付ける

 片寄り防止スペーサーの取り付けにより、建具が反った際でもできるだけ中方立への緩衝を防ぐことができます。 片寄り防止スペーサーの取り付け

8.戸当たり具合の調整

 続いては戸先の戸当たり具合を調整します。室内側、 室内側の確認

 室外側両方から確認します。

建具を確認する
取付て確認する

 戸先の木口はカンナで削って、 カンナで削る

 ペーパーヤスリで平滑にします。 やすりをかける

9.横手(おうで)への
木口テープの貼り付け

 ペーパーを掛け終えたら、プライマーを塗り、オープンタイムを置いて、 プライマーを塗る

 木口テープを張っていきます。 木口テープを張る

 はみ出した余分なテープは専用カッターでカットし、角はペーパーやすりで滑らかに仕上げます。

はみだしたテープをカットする
やすりで仕上げる

10.引手の取り付け

 続いて引手です。引手は従来の船底引手の75㎜タイプよりも

従来の引手 リフォーム前
従来の引手の寸法

彫り込み寸法も広く、深く、手掛かりをよくする突き出しがあるタイプ(サイズ120㎜)を取り付けます。

新規の引手 リフォーム後
引手の寸法

引手を付ける

11.樹脂パネルの組み込み

 さて、大詰めです。建具に仮組してある樹脂パネルの押し縁を外し、 パネルの押し縁を外す

養生ビニールを剥がして 養生ビニールを剥がす

再度組み込みます。 パネルを入れる

 静電気で埃が付かないように養生は最後に剥がすのがポイントです。パネルを組み込んだ建具を建て込めば、 建具の取付

建具工事は完成です。

リフォーム後の引戸 施工後

リフォーム前 施工前

12.リビング入口引戸
リフォーム前後

 床・壁・天井もやり替えています。

リフォーム前の建具 リフォーム前
リフォーム後の引戸 リフォーム後