—役割の違いを理解すると、
換気の考え方が見えてくる—
高気密住宅では、
レンジフードと24時間換気という二つの換気設備が同時に使われます。
しかしこの二つは、
同じ「換気」でも目的も働き方もまったく異なる設備です。
まずは、それぞれの役割を整理しておきましょう。
まず知っておきたいのは、
この二つは“同じ換気”ではなく、まったく違う役割を持つ設備だということです。
調理中に発生する油煙・におい・湿気を、
短時間で一気に外へ排気する“強制換気”の役割を担っています。
まさに“瞬発力のある換気”です。
一方、24時間換気は、
家全体の空気をゆっくり・静かに・絶え間なく入れ替える仕組みです。
こちらは家全体の空気環境を維持するための換気 です。
ところで、24時間換気が日常の空気環境を支えている一方で、調理の際の“大容量の換気”が加わると、家の中の空気のバランスはどうなるのでしょうか。
ここからは、
レンジフードを運転した際に起こりやすい給気の問題について解説します。
ここで重要なのが、換気量の違い です。
レンジフードは、24時間換気の数倍以上の空気を一気に排気します。
一方、24時間換気の給気口は、
あくまで「常時換気」に見合った量しか空気を取り込めません。
そのため、給気が足りない状態では、
という状況が起こりやすくなります。
これが、“給気不足”が原因の負圧 と呼ばれる状態です。
ここで誤解しやすいのが、「24時間換気は役に立たないのでは?」という点です。
実際には、24時間換気の給気口があることで、
という、下支えの役割 を果たしています。
その結果、
窓を開ける場合でも、大きく開ける必要はなく、
少し開けるだけで負圧が解消しやすくなる のです。
レンジフード使用時に吸い込みが弱いと感じたら、次のような対策が有効です。
これは高気密住宅であることが大前提です。
空気の流入口がなくなると、
レンジフードは本来の力を発揮できません。
空気流入の抵抗となる家具や荷物で給気口が塞がれていれば退けます。
調理中だけ、
キッチン近くの窓を数センチ開けてください。
これだけで空気不足は大きく改善します。
※ 遠くの窓を開けると、冷暖房された空気が家の中を通って排出されてしまうため、なるべくキッチン近くが効果的です。
室内が負圧になったときだけ自動で開く給気口です。
普段は閉じているため、高気密住宅の性能を損ないにくいのが特長です。
排気と同時に、必要な空気を機械的に給気する方式です。
レンジフード使用時に給気を意識する必要がなく、計画段階やリフォーム時であれば、最もスマートな解決策と言えます。
必要に応じ給気への配慮や仕組みを補うことで、
レンジフードは本来の力を発揮し、住まいの空気は驚くほど快適になります。
レンジフードと24時間換気は、
です。
24時間換気が家全体の空気環境を整え、レンジフードが必要な場面で強力に排気する。
この関係を理解して使うことで、住まいの空気は驚くほど軽く、心地よく流れていきます。
空気の流れが整えられたら、
次に気になるのが レンジフードそのものの「汚れにくさ」と「お手入れのしやすさ」 です。
毎日使う設備だからこそ、この部分が暮らしの快適さを大きく左右します。
近年のレンジフードは、換気性能だけでなく、
油汚れをため込みにくい構造や、掃除の負担を大きく減らす仕組みが驚くほど進化しています。
次の章では、
最新レンジフードがどこまで防汚性能を高め、
どれほどお手入れがラクになっているのか
その進化を分かりやすくご紹介します。
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