和室を洋室にリフォームしたい方へ。
中古マンションの購入を機に和室をリビングと一間続きの洋室に改装するN様邸 練馬区のマンションリフォーム事例をご紹介
先ずは、玄関までの養生です。
業者が養生をしっかりやらなかったので、
傷つけられたなんて話はよく聞くわね。
工事価格が安かったり、下請けまかせの会社では、
まともな養生をしないところも多いですね。
見積項目に養生がない会社すらあります。
でも、仕上がりが左右するので、とても大切な作業だと思います。
養生は、職人さん次第なのかしらね。
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作業費が叩かれている職人さんには、 |
解体や木工事のあるリフォーム工事でも、 養生をお座なりに考えている会社は、 気休め程度の薄い養生紙しか敷きません。
それで、養生の役目を果たすといえるのでしょうか?
弊社では、強い衝撃や重量物を扱わない時以外は 原則、裏面にフワッと柔軟性のある発泡ポリエチレンが裏打ちされた、 養生を使用しています。
この発泡ポリエチレンシートが傷から守ってくれるわけです。
これなら安心ね。
しっかり、養生が敷かれたら、解体・撤去に移ります。
さて、マンションによって床下の状況は異なります。
床下の状況に合わせて仕上材のフローリングを張る下地を作っていきます。
床下がどんな状況になっているか確認してみましょう。
でも、鉄筋コンクリート造のマンションなら床の状況は、どれも同じじゃないの?
そうとは限らないんですよ。
今回のような畳からフローリングへのリフォーム一つをとったって違うんです。
例えば、
コンクリートの躯体(コンクリートスラブ)の上に直接畳が敷かれているケースもあれば、
一旦、床組みをした上に敷かれているケースもあったり、
仕上げの畳にしたって、一般的な畳の厚さは60㎜ですが、
床下の状況によっては、もっと薄かったりもします。
つまりね、既存の状況によっては、新たな床材に合わせて下地をつくったり、 床材が限定される場合もあるんですよ。
ということは、一言にフローリングにするといっても
床下の状況によっては掛かる費用も変わるってこと?
その通りです。
それじゃ、先ずは、畳を一枚上げてみることね。
そうですね。
ヨッコラセっと。畳は50㎜の厚さですね。
アレェ?畳の下は、想像と全然違ってる。なんだか白っぽいわ。
板張りなのを想像していたんじゃないですか?
そうそう。
以前の木造住宅などでは、畳の下は、
荒床といって幅広(はばひろ)の板が並べて敷かれていましたね。
それじゃ。この白いのは何なの?
これは、ダイセル化学工業のパールネダといいます。
発泡スチロールでできていて、
コンクリートの躯体の上に遮音と断熱と高さ調整を兼ねて敷かれるものなんですね。
発泡スチロールの下はどうなっているのかしら?
外してみましょう。
なんだか砂?みたいだけど、
まさか、下のコンクリートが風化しちゃったわけじゃないわよね?
上下階はスラブという鉄筋コンクリートで区切られています。
スラブには不陸があるので、床の水平を調整するのに砂が敷かれているんです。
下地っていっても、つくりは簡単なのね。
畳は置き敷きするだけでしょ、それに、弾力性と柔軟性もあるので、
フローリング仕上げほど下地がキッチリしていなくても、大丈夫なんですね。
畳屋さんは納める時に、 畳の高さを調整するのに、ゴザの端切れを使ったりしてるんですよ。
畳は、柔軟性があるから下の階に音がが響きにくいそうだけど、
フローリングだと響きそうね。
たいがいのマンションには、 管理規約に床の防音規定があるんでしょ。
そうです。
このマンションでも、
LL-45(△LL(1)-4)以上の『軽量床衝撃音遮断性能』が求められています。
N様邸のように、コンクリートスラブと床の仕上がり面に段差がある場合は、 防音二重床工法(置き床工法)を使った改修が良いですね。
そして、防音二重床で改修する場合は、 スラブの厚みと、床の仕上がりからスラブまでの高さを 事前に確認する必要があるんです。
スラブから仕上面までの高さはおよそ110㎜位ですね。
へぇ。リフォーム前の調査って案外大変なのね。
一般の方の中には、
リフォームって結構簡単なことのようにお考えの方もいらっしゃいますが、
新築のように何もないところに、一からつくっていくのと違って
既存の状況に合わせて改修方法を検討
しなければならないことも多いので、
細かな調査が必要なんですよ。
よくよく調査もしないで、サッと見て
見積もりを出す業者もありますが、
そんなのに限って調査不足がたくさんあって、結局、良い工事にはなりませんね。
時間を掛けてしっかり調査をしてくれるほうが、信頼できる業者と言えるわね。
お奨めの業者さんがありますよ。
→こんな会社がおすすめ
あとでじっくり見てね。さて、工事を続けましょう。
それでは畳をどんどん剥がしていきましょう。・・・
次にパールネダも剥がしていきます。
全部取ると、場所によって砂がまばらなのがよく分かるわ。
それだけ、スラブに凸凹があるんですよ。
パールネダは発泡スチロールだからとても軽いわね。
でも、全部取るとこんなに嵩張るんですよ。
嵩張っても軽いから運ぶのは大丈夫ね。
運ぶのは良いのですが・・・
建築産業廃棄物の処分費は、だいたい体積で金額が決まるので、
いくら重量が軽くても嵩張るとそれだけ高額になるんです。
アッ!いい考えがひらめいた。発泡スチロールでしょ。
細かく刻んで家庭用ゴミで捨ててしまえば、費用も掛からないじゃない。
建築産業廃棄物は、
家庭用ゴミとして捨ててはいけないことになっているんですよ。
それに、リフォーム工事で発生する廃棄物を処理する責任は元請業者にあるんです。
元請業者は、建築産業廃棄物管理票(マニフェスト)を発行して、 処分経路を記録に残し5年間保存しなければなりません。
ところが、この規則を破っているリフォーム会社が大手の中にもあります。
俗に『ゴミ持ち』といって、
下請け会社や職人に処分までさせています。
これは、廃棄物処理法違反になります。
実際、職人が持ち帰った建築産業廃棄物の中には処分費を浮かせるために、
裁断して家庭用のゴミに混ぜて
捨てられているものもあるんです。
このケースの不法投棄はあとを絶えません。
例えば、これです。やらせじゃないですよ。
弊社オフィスの近所の家庭用ゴミ回収場に出された、屋根の波板です。
もちろん、建築産業廃棄物です。
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回収作業員が建築産業廃棄物であることを気がつけば右上のようなステッカーが貼られ回収されず置き去りにされます。
こちらは、同じく内装業者によって、
不法投棄されたものです。
梱包には、納入先業者名やお客様名なども記載されています。
このように家庭用ゴミに紛らせて、
不法投棄をしている業者もたくさんいるみたいですが、摘発されれば、大変重い罰が科せられます。
それに、工事をやったお客様も検分を受けたりと、大変煩わしい迷惑を被ることになるんです。
エーッ?リフォーム工事を頼んだだけの私たちも?
そうですよ。
ですから、リフォーム業者の見積で
ゴミ代の処分費の項目が無かったり、ずいぶん安ければ、元請会社が適法に処分しておらず、
下請け業者が家庭用ゴミ等に不法投棄していることも考られるわけですね。
安さだけを追い求めると、知らず知らずのうちに、不法投棄の片棒を担がされている場合もあるわけね。
建築産業廃棄物管理票を発行し、適正な中間処分業者に処分を委託して、
処分経路を管理しているリフォーム会社に工事を頼む場合は、
地球に住まわせてもらうコストもしっかり支払っていることになるので、地球環境にも貢献しているといえますね。
適法な処理をして資源や環境への負荷を減らすことが、終には地球を守ることに繋がるのね。
私たちは、子孫のためにも、地球の環境を守る責務があると思います。
さて、横道にそれている間に、作業が進んだようですよ。
きれいに砂が取り除かれたわ。
土のう袋で9袋分の砂が出たんですよ。
これも、建築産業廃棄物です。
大工さん、何を始めたの。
壁と畳の取り合いにある畳寄せを外しているんだ。
こいつを外さないと新しい床がきれいに納まらないんだよ。
畳寄せが外れると、壁下地の間柱が見えますね。
フローリングにするなら、板張りのタンス置場も不要ね。
丸鋸で根太に鋸目を入れてから、
壁の石膏ボードを壊さないようにバールで少しずつ慎重に外していきます。
壊すと言ってもテレビで見たように派手にはやらないのね。
乱暴に扱って、壁下地が壊れると
この壁は木下地じゃないから後が厄介なんだよ。
仕上げは同じでも、場所によって下地が違うケースもあるのね。
そうなんです。
壁下地の構造もリフォーム工事には重要な情報で、それによって、改修方法が変わってくるんです。
さて、この後、実際の工事は壁の解体に進むのですが、床の工事を続けてご覧頂きましょう。
さて、新しい床を造っていくのに、
先ずは、レーザー墨出し器を使って水平レベルを出していきます。
墨出しは床のレベルの基準になるから
要所、要所を押さえていくんだよ。
この基準に合わせて際根太(きわねだ)を取り付けていくのさ。
際根太(きわねだ)ってなぁに?
壁際に取り付ける床の下地材のことです。
まぁ、見てなよ。なるべく、まっすぐな材木を選んで、
部屋の幅に合わせて切るでしょ。
それから、さっき、出したレベルに合わせて固定していきます。
このときも、ただ、釘やビスで留めるだけじゃなくて強度を上げるために、
接着剤を併用するといいんだよ。
今度は間仕切壁があった所ね。
ここの場合は、引き込み戸が付くので敷居の下地を造ってから、
際根太を取り付けるのさ。
こんな具合に、部屋の周囲に際根太を回していきます。
際根太が完成したわね。
いや、まだ気が早いよ。
際根太の取り付けはまだ半分終わったところなんです。
でも部屋の周囲は、全部取り付けられたみたいだけど。
ヒー、フー、ミー、ヨー、イツー・・・
何、数えてんのかしら?
際根太とスラブの間に立てる束(つか)の数を数えてるんです。
際根太はまだ、仮止めの状態なので床が沈み込まないようにするんですよ。
際根太の上に数字が書いてあるだろ、
スラブの不陸は場所毎にみんな異なるから、不陸に合わせて束をこしらえるんだ。
束を立てるのにも、
木工用ボンドと、コンクリートボンドを併用します。
ずいぶん個数があるから大変なのね。
450㎜以内に1個ずつ取り付けるんです。
ようやく終わったみたいね。いよいよ床下地かしら。
いやいや。まだもう一仕事あるんだよ。
まだ、あるの~?
掃き出し窓のサッシのところは、
際根太よりも外側に床が延びてるだろ。
その分の下地を作っておかないといけないんだよ。
さっき、取り付けた際根太とサッシとの間の部分ね。
こうしておけば、出入り部分も頑丈でしょ。
さて、いよいよ防音二重床(置き床)を
つくっていくのですが、その前に
今回採用した防音二重床のご説明を簡単にしましょう。
今回、採用したダイケン工業は 『音のダイケン』とも呼ばれる通り、 防音については、床に限らず 天井や壁についても防音・吸音に関する様々なシステムの開発を手がけています。
N様邸に使ったDADスペースSシリーズは、 軽量床衝撃音はもちろん、足音などの重量床衝撃音にも優れた効果を発揮する、 独自の乾式二重床タイプの高性能防音床システムです。
下のDADユカSパネルF4は厚み20㎜×幅600㎜×長さ1,820㎜あります。
このユカパネルを、馬張りに張っていきます。
馬張りって?
レンガタイルのように目地をずらす貼り方です。
そして、このユカパネルを支えるのが
右のDADユカEボルトで、 |
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足の長さを調節できるから不陸があっても大丈夫なのね。
パネルの下には、
衝撃音を吸音する厚み25㎜×幅500㎜×長さ1,800㎜のグラスウールを
2枚重ねにして敷設していきます。
ちなみに、N様邸は、LL-45(△LL(1)-4)(左の仕様)のご予算で
一ランク上のLL-40(△LL(1)-5)の仕様(右)で施工しました。
違いは、吸音材のグラスウールの敷き方が一列おきでなく、全面となっていることです。
ところで、
床下地を防音仕様にする作業の前に、
どうしても申し上げておきたいことがあります。
騙されるな!!
『防音直張りフローリング』は、
どんな下地に張っても防音性能が
発揮できるわけではない。
マンションのフローリング工事の相見積で何度か出くわしたんですが、
床の下地がなんであれ仕上材に防音直張り
フローリングを張りさえすれば、
防音規定がクリアできると説明したり、
実際そのように工事している業者がいます。
防音直張りフローリングってどういうものなの?
防音性を高めるために、
裏側に特殊クッション材を使用していて、
のると柔らかく沈むような感じがするフローリングです。
防音性能があるのにどうしていけないの?
防音直張りフローリングは、その名の通り、
通常スラブに直接貼り付けることで、性能が発揮されるんです。
ですから、例えば、スラブ面に大引きを単純に敷いた上に根太掛けし、
その上にベニヤを敷いたような下地に貼る場合は直張りとは言えません。
それなのに、知ってか知らずか、平気でやろうとするんですよね。
それともう一つ。
防音直張りフローリングでも防音二重床にせよスラブの厚みが防音性能を左右する点には
注意が必要ですね。
ほら、仮置きしてみたよ。納まりは良さそうだね。
横にも並べてみましょうよ。
はいはい。でも、これからは、慎重に並べていかないとね。
パネルの左端に赤いスケールのようなものが見えますね。
これは、道糸といって、 さっきレベルを出して固定した左右の際根太間に張ってあるんです。
そして、これにパネルのレベルを合わせながら、防震脚の高さを調節していくんですよ。
なるほど、こうやって水平を出していくのね。
一ヶ所一ヶ所、全て合わせていくので手間が掛かるんです。
そして、レベルが決まればパネルを台座にビス留めしていくんです。
お次は3列目。
もう少しだ。
いよいよ、クローゼットの中ね。
クローゼットの中にも吸音材を敷きます。
やっとパネルの敷き込みが張り終わったわね。
最後にもう一度、
防震脚に浮きが無いことを一通り確認してから、ボルト固定用接着剤を滴下するんだよ。
あッ、垂らした液が膨らんできたわ。
一昼夜すれば完全硬化して、ボルトが緩まなくなるんです。
さてと、仕上げのフローリング張りの下準備をしておこッ!
フローリングをきれいに仕上げるためには、割付がポイントなんです。
割付?
フローリングの並べ方のことです。今回使用したフローリングは、
一枚の大きさが幅303㎜×長さが1,818㎜で出来ています。
そして、303㎜の幅の中には3本の溝があります。
このフローリングの並べ方を部屋の大きさに合わせて考えていきます。
割付は仕上がりに影響するんだよ。
あれッ?今度はせっかく取り付けた引込戸の枠を削っているの。
フローリングの厚さに合わせて、
枠の下端をキッチリ加工しておくのさ。
こうしておけばきれいに納まるんだよ。
準備が整ったらいよいよ仕上フローリングの貼り付けね。
フローリングは、
置き床パネルの貼り方向に直交するように貼っていきます。
だいぶ貼り進んだわね。
貼るのには接着剤を併用するんだよ。
あと少しね。
そう思うでしょ。ところが、これから先が、手が掛かるんですよ。
壁際はフローリングが寄せづらいんですね。
だから、できるだけピタッと寄せてから、固定するんだ。
最後はクローゼットの中ね。
クローゼットの中と外でフローリングの溝を合わせるのがポイントですよ。
さて、仕上げは、床と壁の取り合いを納める幅木の取り付けですね。
この壁の下地は、釘、ビスが効かないGLボンドだったな。
こういう場合は、接着剤で固定するんだ。
幅木が取り付けられて工事が終りました。
リフォーム前後をご覧下さい。
畳、タンス置場、障子、襖に注目してください。
フローリング、カーテンレール、窓枠、引込戸にリフォームされました。
テラス窓廻りの納まりをご覧下さい。
隣の部屋からはこんな感じになりました。
マンションの防音フローリング・二重床(置き床)工事は、住まいるパートナーへどうぞ。
仕上げには、天然素材のココヤシ、サイザル麻、コルク、籐や竹の敷物や
ココヤシね。気持ち良さそうね。
無垢フローリングを使ったものもできますよ。
天然素材も良いわね。
最後まで、ご覧いただきまして、ありがとうございました。
N様邸の『畳から防音規定をクリアする防音二重床工法によるフローリング工事』は
いかがでしたでしょうか?
弊社のリフォームは、建築士があなたと同じ目線に立って、
お困りごとやご要望の解決方法を考え、我が家同然の思いで丹精込めて仕上げていきます。
リフォーム業者をお探しで『仕事振り』 も大切だとお考えでしたら、是非、弊社にお任せ下さい。
畳をフローリングにリフォームする
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