リビングイン階段への
ドア取り付けの動機

リビングへと直接つながるリビングイン階段。『子供が立ち歩きを始め、ペットもいるので、転落事故を避け、冷暖房効率が良いドアを付けたい。』と奥様からのご相談でした。

1.リフォーム前の状況

 ペットの猫がいるので、猫専用脱走防止扉『にゃんがーど』を利用されていました。 リフォーム前の2階入口 リフォーム前
仮設とはいえ、ペットや幼児の転落防止にはなりますが、下り壁もなく、格子戸なので冷暖房の空気は逃げてしまいます。

 そこで、リビングイン階段入口へとドアを取り付けることとなりました。 ドア取付後 リフォーム後

2.リビングイン階段入口ドアの
納め方

 今付いている『にゃんがーど』のようにリビング側に出っ張っらずに、既存の開口寸法に合わせて、この位置(黄色の枠内)にできるだけ自然な形で納めます。 リフォーム前  既存の巾木と

階段のササラ桁も加工します。 リフォーム前

 部屋の入口ギリギリまできている階段手すりも若干詰めます。

リフォーム前の入口
リフォーム前の階段手すり

それでは、事前作業からご覧いただきましょう。

3.事前作業

3-1.『にゃんがーど』の撤去と床養生

 作業をご紹介します。先ずは既設の『にゃんがーど』を他の場所で再利用できるように丁寧に取り外します。 転落防止柵の取り外し

 床養生を終え、設置作業に取り掛かります。 工事前の養生

3-2.階段手すりの切り詰め

 ドア枠と緩衝してしまう階段手すりは切り詰め、

リフォーム前の階段手すり
手すりを切る

ブラケットもずらしてドア枠が固定できるように付け替えます。
 ドア枠ギリギリの位置迄移動させ、手すりが離れすぎないようにします。

階段手すりの位置をずらす
手すりをカットする

3-3.巾木、ササラ桁の撤去

 巾木は一旦剥がして、加工して再取り付けします。 巾木を剥がす

 ササラ桁はドア枠と緩衝する部分をカットします。 ササラ桁をカットする

 幅木(右)の撤去とササラ桁(左)の加工ができました。 幅木の撤去とササラ桁の加工

3-4.ドア縦枠下端段差加工

リビング階段との床の取り合いはわずかながら段差があります。この段差分だけドアの左右の縦枠の下端を削ります。

僅かな段差
縦枠の下端を削る

良い感じに納まりそうです。 納まりの確認

これで事前作業は終了です。次からはいよいよ、ドアの取り付けに入ります。

4.リビングイン階段入口へのドアの取り付け作業

4-1.下り壁の造作とドア枠の取り付け

 縦枠下端が加工できたところで、ドア枠を組み立て、開口部にあてがって、枠上の下り壁の寸法を当たります。

ドア枠を組み立てる
下がり壁の寸法を当たる

ドア枠取り付けの準備として、ドア縦枠横に入れる隙間調整材とドア上の下り壁の寸法をあたります。 下がり壁の確認

 寸法に合わせてドア縦枠横に入れる隙間調整材を加工します。 隙間調整材を加工

 ドア上の下り壁の下地は材木を梯子状に組んで作ります。 材木を梯子状に組む

 取り付けてみましょう。

隙間調整材
下がり壁

下地取付後

階段側から見たドアの右縦枠と壁との隙間には見切り材を加工して取り付けます。

見切り材を加工
見切り材を取付

 こうして、階段側に細長い袖壁ができないようにします。リビング側の枠横の隙間は壁紙で補修します。

 組み立てたドア枠の取り付けです。

ドア枠の取付
ドア枠の取付

 階段手すりは枠のすぐ横にあるので今までと違和感はありません。 ドア枠と下がり壁下地取付後

4-2.ドアの組み立てと設置

ドアに丁番を取り付け吊り込みます。
ドアに丁番を取付
建具を取付

 続いて、ドアへのハンドルと枠への戸当たりの取り付けです。

ドアハンドルの取付
戸あたりを取付

4-3.ドア枠周りの補修

 巾木を補修します。 巾木を補修

 枠と幅木の空いている部分にキャップを取り付けます。

巾木と枠の隙間
キャップの取付

 下り壁の木下地には石膏ボードを張ります。

ボードを切る
下がり壁にボードを貼る

4-4.ドア吊り込み調整

ドアと枠との隙間を調整します。 ドアと枠との隙間を調整

ドアを開く側の巾木には戸当たりを取り付けました。 戸あたりの取付

大工さんの作業は終了いたしました。続いてはクロス屋さんの壁紙の補修工事です。

5.壁紙の補修

 ドア取り付け後は、周囲の壁のクロス補修をします。補修位置が目立たないようにするのがポイントです。

5-1.補修部分の既存壁紙の剥がし

 まずは、貼り継ぎが目立たない位置まで壁紙を剥がしていきます。 ドア周りの壁紙を剥がす  ドア左縦枠から幅1枚分の壁紙を剥がします。

 続いてドア上です。 ドア上の壁紙を剥がす

5-2.壁紙下地処理①(粗パテ打ち)

 壁紙を剥がし終えたところで、初回のパテ処理、『粗(あら)パテ打ち』です。ドア上と パテ打ち

ドア枠左側の石膏ボードの継ぎ目や隙間を埋めていきます。 ドアまわりのパテ打ち

 『粗パテ』が乾くのを待つ間に、クロスに糊付けします。

パテを乾かす
壁紙の糊付け

5-3.壁紙下地処理②(仕上げパテ打ち)

 粗パテの乾きを待って『仕上げのパテ打ち』です。

仕上げパテうち
ドアまわりの仕上げパテ

5-4.クロス張り

 パテが乾いたら表面をペーパーヤスリで平滑に均した後、クロス張りです。 コークボンドをうつ  天井と壁、壁とドア枠との取り合い部分には、剥がれ防止のコークボンドを先打ちします。

 壁紙はハウスメーカーさんのオリジナル品でしたが同じ柄を手に入れることができました。 壁紙を貼る  念のため、ロッド違いによる濃淡の差を目立たせなくするためにリビング側はドア上で接続しました。

 階段側の下り壁を貼れば完成です。 階段側の下がり壁

 足元不安定な所での作業です。 階段側の壁紙を張る

壁紙をリフォーム後

 クロスの補修も無事終わり、リビングイン階段の開口部へのドア取り付け作業は完了しました。

6.リビングイン階段の階段口へのドアの取り付け完成

 違和感無く仕上がりました。建具の高さは約2m。枠外の幅は755㎜です。

リフォーム前のリビング入口 リフォーム前
リフォーム後のリビング階段ドア リフォーム後

 パネルは半透明なので、階段側からも部屋に入る際にドアの前に誰かが居ればぼんやり透けて見えます。
 また、樹脂製素材のため、割れた際にもガラスのように破片が飛び散りにくくなっています。

リビングイン階段にドア取付後
リビングイン階段のドアを開いたところ

 ドア右枠と幅木との納まりです。 巾木の納まり

 ドア左枠と巾木、戸当たりの納まりです。 戸あたり

 扉を開けると戸当たりに触れて止まります。 リフォーム後 リフォーム後

階段側です。

階段からみたリビングドア
階段からみたリビングドア

 長さを詰めた階段手すりは見た目にも違和感がありませんでしょ。 階段手すり

 枠とササラ桁の取り合いも綺麗に納まりました。 枠とササラ桁の取り合い

7.ドアデザインのご紹介

 さて、『他のデザインやアルミフレームの建具もないのか?』とお思いの方もいらっしゃると思います。
 弊社では以下のようなデザインもお取り扱いしています。

 木質系デザイン 木質系デザイン

 アルミフレームデザイン アルミフレームデザイン