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結露が止まらない寝室の防カビリフォーム
こちらの部屋はマンションの1階北側部分に当たりますが、窓の外には擁壁が立ちはだかり、冬になると北風の吹き溜まりとなります。
親子3人の寝室として利用していますが、窓周りのカビは特に酷い状況です。
リフォーム前
原因は、冬場の結露によるものです。窓には内窓が設置されているにもかかわらず、
水滴は内窓下の壁にまで流れ落ち、かびはその湿気と壁紙の糊等が栄養源となって広がっていきました。
リフォーム前
広告では、内窓は結露に効果的と言われていますが、状況によっては全く効果がない場合もあります。
結露は窓だけでなく、梁や壁にまで発生し、カビは天井やカーテンにまで広がっています。
このような状況では『カビ取り』をするだけでは、再発は止められません。
そこで、以下のようなリフォームプランでカビを防止しました。
1.リフォーム概要
- 全壁紙を剥がし、かび取り・除菌処理後、日本ケイソウ土建材(株)の珪藻土 エコ・クイーン仕上げとします。
- 防かび処理は珪藻土を塗る前の下地に1回、珪藻土左官完了後に2回実施します。
- 内窓の単板ガラスを複層ガラスに入れ替えます。
早速、リフォームの様子をご紹介しましょう。
2.床養生
先ずは、作業前に部屋全体の床養生をします。
3.窓周りのカビ取り・除菌清掃
内窓・外窓のガラス障子はもとより、枠周りについてもカビ取り・除菌・清掃をします。

特にひどかった窓下の壁は完全に除菌・漂白しました。
カビ取り・除菌・漂白・清掃前
カビ取り・除菌・漂白・清掃後
清掃後の写真では塗れている部分が所々薄くグレーに見えますが、乾くと真っ白になります。
4.壁紙の剥がし
通常、天井・壁の内装がビニールクロスの場合、日本ケイソウ土建材(株)の珪藻土 エコ・クイーンはそれを剥がさずその上に塗っていくことができます。
今回の場合、壁紙の内部にもカビが繁殖しているので壁紙は全て剥がして、
カビ取り・除菌処理をします。

5.隣室との境界壁の壁紙の剥がしとカビ取り・除菌処理
隣室との境界壁となる梁下の壁はコンクリートの躯体壁となっており、壁紙はじかに貼られています。
コンクリートの躯体壁の場合、壁紙は薄紙まで全て剥がしコンクリートの躯体をむき出しにして、

カビ取り・除菌処理をします。
6.下地への防カビ処理
全ての壁・天井のカビ取り・除菌処理を終えたら、完全乾燥を待って、防カビ剤をタップリと吹き掛けます。
壁と天井全域をくまなく防かび処理していきます。
完全乾燥を待って、次は、珪藻土左官です。
7.珪藻土左官
エコ・クイーンは下塗り、仕上げ塗りの二度塗りで丹念に仕上げていきます。
超微細・超多孔構造をもつ珪藻土には湿気を吸ったり吐いたりする調湿機能があります。3㎜以上の塗り厚により湿気がちなお部屋でもカラッとさわやかな空間に変えます。
一度塗りで手軽に仕上がる珪藻土壁材もありますが、施工後の空気感と、時間が経つにつれ表面が硬化していき、ボロボロ落ちないところがお勧めです。ちなみに弊社のオフィスや社員の自宅にも使っています。
8.珪藻土左官の下地処理
塗る前には、各所下地処理をします。
柱型や梁型の出隅には角がキッチリ仕上がるようにコーナー部材を留め、石膏ボードの壁の全域はタッカー留めします。

躯体コンクリート壁のクラックが入っている箇所にはファイバーテープを貼り、
壁と天井全体にプライマーを塗ります。
プライマーは珪藻土を塗る下地面を整え、下塗り材をシッカリ食いつかせる役割があります。
9.珪藻土左官下塗り
プライマー塗布後、乾きを待つ間に下塗り材を練ります。
下塗り材といっても珪藻土壁材です。
下準備が整い、プライマーも乾いたところで、いよいよ塗りはじめます。
左官工が手にしているのは
しごき鏝(こて)と鏝板(こていた)です。
天井から塗り始めます。
下塗り材は乾く前はグレーですが、乾くと白っぽくなります。

天井の次は梁部分です。

そして、壁です。
部屋の上部から塗っていきます。
下塗りを終えたら乾燥を待って仕上げ塗りです。
10.珪藻土左官仕上げ塗り
仕上げ塗りは、最初金鏝(かなごて)で厚めに塗り付けておいて
追っかけ、木鏝(きごて)に持ち替えてパターン付けをしていきます。
二人以上で作業する場合は、役割分担して塗っていきます。
11.珪藻土にカビは生えないか?
『珪藻土にはカビが生えない?』
珪藻土壁材にはカビが生えないと広告しているメーカーがあります。
その広告を信じて、多くの方々が珪藻土を採用しています。
しかしながら、カビが生えた事実を何度も見聞きしてきました。
メーカーに尋ねると、
『弊社の珪藻土にはカビが生える成分は配合されていません。』という回答でした。
これは、
『ガラスやプラスチックにはカビが生える成分が含まれていません。』と言っているのと同じことです。
ところが、実際にはガラス面やプラスチックにもカビは生えます。
珪藻土には空気中の湿気を吸収する性質がありますので、湿気過多の場所で風通しもせずにいるとかえってカビが生えやすくなる場合があります。
事実、真夏、留守宅で珪藻土を塗った後、換気せずに締め切りにしたところ、二日ほどで珪藻土の表面全域にカビが生えたという事例もあるほどです。
カビは栄養分と湿気の条件が揃えば、有効な手立てを講じない限り、生えてしまうものです。
弊社では、現在まで再発事例はありませんが、『条件が揃えばカビは生える。』ことを肝に銘じて取り組んでいます。
さて、
珪藻土左官完了後、完全乾燥を待って防かび処理を実施します。
12.珪藻土左官仕上げ後の
防カビ処理
日本ケイソウ土建材(株)のエコ・クィーンは乾燥過程で表面が硬化していきます。それを見計らいながら、防カビ処理を2度実施していきます。2度実施するのは処理層の厚みを増し、効き目にムラが出ないようにするためです。
噴霧器による噴霧や

ローラー刷毛を利用して満遍なく塗り込んでいきます。
壁
天井
1度目の防カビ処理後、送風機・サーキュレーターなどを使って乾燥させ、この作業をもう一度繰り返します。
13.カビ取り・除菌・防カビ処理併用の珪藻土左官の完成
防かび処理後、床養生を剥がせばリフォームは完成です。
所々薄くグレーに見えるところも、防カビ剤が乾燥していくにしたがって白くなっていきます。
防カビ処理を併用した珪藻土左官壁
リフォーム前
防カビ処理を併用した珪藻土左官壁
リフォーム前
防カビ処理を併用した珪藻土左官壁
リフォーム前
『リフォーム直後に壁が綺麗なのは当たり前!』と思われるのはごもっともです。
そこで、お客様のご協力を得て、リフォーム後の状況もご紹介します。
14.1回越冬後
リフォーム後1回目の冬を越しました。お客様によると、窓の結露は完全に解消し、いつでも部屋はカラリとしているそうです。
また、従来冬場になると南側にあるリビングにも結露がでたそうですが、今年は殆ど出なかったとのことです。
内窓の単板ガラスを複層ガラスにグレードアップしたことで断熱効果が上がり、
珪藻土による調湿効果が結露低減への相乗効果を生んでいるようです。
15.結露が止まらずにカビに酷く
侵されていた内窓下の経過写真
リフォーム前
カビ取りしてもすぐに再発する状態でした。
防かびリフォーム直後
グレーに見えるところは防カビ剤が乾く前です。
1回越冬後
ご覧の通り、レースのカーテンも新品のままです。埃すらありません。
3回越冬後
ガラス・サッシ・壁・天井・梁・カーテンとも全くカビはありません。
5回越冬後
珪藻土のテクスチャーの部分に薄っすらと埃が溜まっている箇所がありましたが、
ガラス・サッシ・壁・天井・梁・カーテンにはカビは全くありません。
いかがでしたでしょうか?珪藻土にしたことで目を見張る効果が出ているといえます。